お茶のこと


●お茶の種類●

お茶と一概に言いましても、現代にはたくさんの種類のお茶があります。

大きく分けると、緑茶・ウーロン茶・紅茶の三種類で茶葉を全く発酵させないで加工したものが緑茶。

ある程度発酵させて加工したものが烏龍茶、完全に発酵させて加工したものが紅茶です。実はすべて同じ茶の樹から作られています。

お茶の葉

お茶は栽培方法や収穫時期、製造方法によりさらに細かく分類され、煎茶・浅蒸し煎茶・深蒸し煎茶・特蒸し煎茶・かぶせ茶・玉露・番茶・ほうじ茶・玄米茶などに呼び名が変化していきます。

【煎茶】

・最も代表的なお茶

・収穫した茶葉を蒸して揉んで製造したお茶

【深蒸煎茶】

・通常の煎茶よりも2倍の蒸し時間で製造したお茶

・渋みが少なく、緑色の水色が濃く出る

【釜炒り茶】

・収穫した茶葉を蒸さずに釜で炒って製造したお茶

・クリアな黄色い水色と香ばしい香りが特徴

【かぶせ茶】

・収穫前、1週間から10日程度被覆栽培したお茶

・緑色の水色が濃くなり、渋みが少なく旨味が多い

【玉露】

・収穫前、20日程被覆栽培したお茶

・渋みが少なく、凝縮した旨味と香りが特徴

【碾茶】

・約14日間程被覆栽培を行い、揉まずに製造したお茶

・抹茶の原料

【抹茶】

・碾茶を石臼または微粉砕機で挽いて粉末にしたお茶

・茶道だけでなく菓子等の原料

 【茎茶】

・新芽の茎だけを選別して作ったお茶

・水色は薄いが、爽やかで渋みの少ない味

【芽茶】

・芽の先の細かい部分を選別して作ったお茶

・旨味が多く、味が濃い

【粉茶】

・製造過程で篩にかけて選別したお茶の粉

・水色が鮮やかで味が濃い

【ほうじ茶】

・煎茶、番茶、茎茶を強火で炒ったお茶

・香ばしい香りとすっきりした味が特徴

【玄米茶】

・番茶や煎茶に炒った玄米を混ぜたもの

・香ばしい香りとさっぱりした味わい

【番茶】

・秋に収穫したお茶(秋冬番茶)や一番茶と二番茶の合間に伸びた部分を収穫したもの(刈番茶)等

 

●深蒸茶の特長●

 深蒸し茶の発祥は静岡県の茶農家により、蒸し時間を長くして渋みを抑えた深蒸し茶が作られたといわれています。

 しかし、深蒸製法の確立には諸説があり歴史的文献がないため、明確な発祥地の特定には至っていません。

一番茶 お茶の葉

 一般的に深蒸し煎茶として作られるお茶は、普通煎茶よりも蒸し時間を2倍から3倍ほど長くしたものが主流です。

 普通煎茶の蒸し時間は約30~40秒で深蒸し煎茶は約60~80秒となります。

  弊社は深蒸しで仕上げていますが、蒸し時間は特蒸し茶に近く、約120秒の蒸し時間で仕上げています。

深蒸し 煎茶

約120秒の蒸し時間で仕上げた茶葉は豊富にカテキンを含んでいて、より深く蒸すことによりカテキンの渋みが激減され、濃厚で甘くもコクのある深い味わいになります。

●お茶の蒸し具合の比較●

蒸しかたによるお茶の違いを表にまとめてみました。

蒸し具合 表

上記の表より、茶葉の蒸し時間とお茶を淹れた時の仕上がりの違いがよくわかります。

弊社の製法のこだわりとして約120秒の蒸し工程があります。

普通蒸しの煎茶や一般的な深蒸し茶と比べても香りは少ないですが、味はまろやかでコクがあり渋みも非常に少ない仕上がりになっています。

●深蒸し茶の健康効能●

お茶の世界で最も有名な健康効能成分であるカテキンはポリフェノールの一種で、お茶にはエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどといった種類が含まれています。

 

抗ガン作用やコレステロールの抑制効果、抗酸化作用や体脂肪の低下などの効果がありますが、茶葉を深く蒸すことにより茶葉の組織がほぐれ、カテキン類はもちろん、ビタミンC、お湯や水に溶けにくい食物繊維やミネラルなどの成分も、より多く摂取することができるのです。

●深蒸し茶のおいしい淹れかた●

六車農園 一番茶 深蒸し煎茶 水色

■用意するもの

・深蒸し煎茶の茶葉・湯冷まし・急須・人数分の湯呑み・沸騰させたお湯

①沸騰したお湯を湯冷ましに入れて冷まします。湯冷ましにいれると約10度ほどお湯の温度が落ちます。(深蒸し茶は70度が適温)

②急須に茶葉を入れます。(急須の底面が隠れる程度)

③お湯を急須に注ぎ、お茶の葉が開くまで45秒~1分程度待ちます。

④お茶を回し注ぎ、最後の一滴まで注ぎます。


●おすすめの深蒸し煎茶●

彩翠 深蒸煎茶 100g (赤)

●かぶせ茶とは●

かぶせ茶とは、茶葉の摘採前にバロン(寒冷紗)と呼ばれる布を茶畑にかぶせて日光を遮る栽培方法で栽培さえたお茶です。

六車農園株式会社 一番茶の摘採前にバロンを被覆

バロンは寒冷紗(かんれいしゃ)とも呼ばれています。

 

光をふさがれたお茶の葉は、太陽の光を受けてデンプンや酸素を作り成長しようと必死に光合成をして葉緑素(クロロフィル)を作り出していきます。

このような栽培方法で作られたお茶を「かぶせ茶」と呼びます。

高級煎茶で有名な玉露(ぎょくろ)や高級抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)も、このような栽培方法で作られています。

碾茶(てんちゃ)→ 抹茶(まっちゃ)の原料となるお茶です。

 

 日光を遮る期間の長さや製造過程の違いから

  • 玉露(ぎょくろ)
  • かぶせ茶
  • 碾茶(てんちゃ)

と分類することができます。

  一般的な「かぶせ茶」の日光を遮る期間は地域や茶園によって違いがありますが、おおむね1週間~10日前後です。

日光を遮る期間を長めにするほど、玉露(20日前後)に近い、甘みやうまみがより楽しめる品質のお茶になります。

日光を遮ることで茶葉に与える影響としては、バロン、又は寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる布をかぶせることにより約70%の日光が遮られた状態でお茶の葉が光合成をするために少ない光を効率よく吸収しなければなりません。

 そのためにお茶の葉の中に、より多くの葉緑素を作り出していくというわけです。もちろん、葉緑素の中にも多くの甘味成分やうま味成分があります。

しかし、日光を遮る栽培方法を行うことで

  • 茶の樹に負担がかかる
  • 収穫できる量が減少する
  • 生育が遅くなる
  • など栽培に関する問題点があるのも確かです。

しかし、このようなデメリットも持ちつつも六車農園株式会社が「かぶせ茶」にこだわり、「かぶせ茶」を生産するのは、

 

  1. 茶葉にあるテアニンがカテキンに変化しにくくなる
  2. 旨味や甘みのほうが強い
  3. 適度に渋味や苦味が抑えられたお茶になる

テアニン → お茶の旨味をもたらす成分

カテキン → お茶の苦味や渋味をもたらす成分

テアニンがカテキンに変化しにくいということは、旨味や甘みが強く、渋味や苦味が抑えられたお茶になるということ。

このようにメリットのほうが多くなります。

かぶせ茶」には、美味しさと、それだけの魅力があるのです。

六車農園株式会社では、美味しいお茶づくりに日々邁進しています。